Column

「書く」ということ ~ 「読みたいことを 書けばいい。」を読んで ~

まさか、自分の日常にここまでコンスタントに「書く」という事象が起こるとは思いもしなかった。以前「MUSHROOM LIBRARY」のコラムでも触れたが、「書く」ことより「読む」ことを常としていたのに、自分の日常の変化と共に「読む」という時間が圧倒的に少なくなった為、何とか読む時間を確保したい。そう思っていた時、ある中学校の朝の時間の使い方の中に「10分読書」の時間を設けている、というのを知った。朝学習ならぬ「朝読書」。これを早速自分の時間の使い方の中に取り入れる事にし、実践した。

 

 

今までの私の「書く」ということの割合は、既に15年ほど続いているWebマガジンに5年前から自分の日常の一コマを載せていただいているくらい。月に一度、そのくらいである。なのに今はこんなにも日常的に書いている。ブログやFacebookも続かず、なのに美容師でありつつもコラムを書くことが仕事の一つになってしまった。それは「書く」ということが私にとって自分の事を知ってもらう一つのツールだったからである。

 

 

田中泰延さんの初著書となる「読みたいことを、書けばいい。」はタイトルに惹かれるのも然ることながら、本屋のレジ横でペラ読みして即お買い上げしてしまった。今の私にドンピシャな本だった。

糸井重里さんの言葉遣いも大好きで帯に名前があったのもよかった。林修先生が先日TVでこの本のことを絶賛していたが、「書く」ことに対して実にシンプルに分かりやすく書かれていた。「書く」ことはまず「読む」ことから始まり、いろんな文章や事象に触れることによって自分が思うことを述べる。そして資料を徹底的に調べ、表現する。書く作業は地味で、書いている最中は狭い世界にひたすらいるらしいが、美容師もまた施術の一つ一つはものすごく地味であり、そして締め切りのように時間に追われている。でもそんな中で美容師さんによって個性やセンス、表現の仕方がそれぞれであるのがまた面白いところだと思う。出会い=ご縁だと思っている牧田ですが、この著者の田中さんや糸井さんには足元にも及ばないにしろ、「心と体の調和を大切にしたサービスを提供」できる美容師であるように、「書く」ことでもお伝え出来たら、と思う。