Column

Muster Of The Heart ~ 指針になるひと ~

お会いしたことはないけれど「人となりに惹かれる」。私がそう思うひとりが「松浦弥太郎」さんです。

 

 

何年も前になりますが、本屋さんの平積みされている本の中に松浦さんの本がありました。何かに迷ったり立ち止まったりすると暇を見つけては本屋さんへ行き、その時の「自分」との出会いや答えを探しに、気になる本を片っ端から手にとってはページをめくって、「いい出会い」があると本屋さんからわが家へ来ていただくことになるのですが、そんな感じで弥太郎さんの本とも運よく出会いを果たした訳です。最初に彼の本を手にし、読んでみて得たこと。それは「自分に嘘はつかない」ことと「行動する」ということでした。そんな事くらい誰しもちょっと考えたら分かることですが、ともあれ日常の大半を仕事の時間にあてている大人の、どのくらいの人が自分のココロに嘘偽りなく思いを仕事にできているのでしょうか。私は美容師を離れている期間が少なからずありますが、その場を離れてみて分かったこと、気が付いたことは本当にたくさんあります。だからこそ、「何事にも一生懸命取り組んで、チャレンジすることを忘れない」、松浦弥太郎さんのように生きれば自分の人生を豊かにする近道になるのではないか、そんな風に著書を読んで深く思ったのです。私がその本に出合った当時、弥太郎さんは「暮らしの手帖」の編集長をしていらした頃でしたが、チャレンジする心を忘れない、その姿勢にすっかり心を掴まれ、それからは「人生の師」とばかりにずしん、と私の心の中に住み着いてしまった方なのでした。最近久しぶりに弥太郎さんの「くらしのきほん」というコンテンツの配信を見ました。もともとアナログな私は、お店の清掃や自宅の清掃は箒と雑巾がけで行いますし、こういった文筆作業の原稿もノートに手書きをしてペン入れをし、入力作業をして尚且つ読んでは直しをくりかえしてギリギリまで投稿を待ちます。そんな自分の中の「きほん」があるのですが、弥太郎さんが関わるモノを目にする時、自分を大切にしていいんだよ、と傍で応援されているような、不思議とやわらかい気持ちになれるんです。不安なとき、自分のココロがざわざわとしはじめたとき、「これでいいんだ」と思える。形は違っても今に至るまで、松浦弥太郎という人が発信していることはいつも私の指針となっています。