Column

Cut Scissors ~ カット用ハサミ ~

私が仕事をする上で最も大切な道具が「ハサミ」です。ハサミで髪をカットする訳ですが、現在持っているハサミは全部で5本。もう随分と同じハサミを研ぎに出しては大事に使っています。ハサミにも種類がいくつかありますが、大きく分けると「ブラントシザー」と呼ばれる、真っ直ぐに切る直刃のハサミと、「セニングシザー」と呼ばれる、毛量を削るすきばさみと言われるハサミの2つに分かれます。それを更に用途によって使い分けるのですが、ブラントシザーはメインが2本、それとドライカット用に笹刃を1本、セニングシザーはメインが1本(逆刃)、主にドライ用(15%くらいの梳き量)が1本。プラスでレザーを1本持っていますが、レザーカットは殆どしません。理由はハサミでもレザーに近い仕事が出来るから、です。

 

 

前職場ではレザーカットが禁止されていました。チェーン展開のお店で沢山の美容師がいるとレザーカットの技術に差があるから、と聞いていました。今はかつてほどお客様がレザーカットを望まれることが少なくなった様に感じていますが、逆にレザーカットをしてほしくない、といった方をMUSHROOMを始めてから時々耳にするようになりました。 「美容室あるある」なのかもしれませんが、お客様の毛量が多いから、という理由で、当のお客様に断りもなくレザーでザクザクとカットをしてしまう美容師さん。レザーにも種類はいくつかあるのですが、大概レザーカットへのトラウマをお持ちの方はヘアースタイルも接客も悲しい目に遭われている方がほとんどです。

 

 

MUSHROOMではカウンセリング時のお客様の髪の状態に合わせて、ウェットのプレカットなのかドライのカットがメインになるのかをお伝えし、それによってシャンプーも前後させていただいています。毛量にも気を配り、多い方でも梳き過ぎるとスタイルの持ちの悪さや手入れのしにくさにつながるため、必要な場所に必要なカットをするように相談させて頂きます。

 

 

自分に合ったしっくりくるハサミとの出会いが気になっているこの頃のマキタでありますが、「とりあえず買い」が出来ないタイプなので、いい出会いがありましたら皆様に技術の還元が出来るよう、お知らせしたいと思います。